公益財団法人日本生産性本部が新入社員に対して行っている就業意識の調査。1969年から毎年実施されており、2010年で42回めになる。10年度の調査期間は3月3日から4月30日までの約2カ月間で、日本生産性本部が加盟企業から請け負っている新入社員研修「新社会人研修村」に参加した2663人を対象に行われた。この調査結果によると、「デートの約束があった時、残業を命じられたらどうするか」の問いに対して、仕事を優先すると答えた人が男性81.9%、女性88.8%だった。また、就職先の企業を選ぶ基準は、「自分の能力、個性を生かせるから」と答えた人が一番多く、全体の34.8%を占めた。次いで「仕事がおもしろいから」が24.8%、「技術が覚えられるから」が9.0%。1971年度の調査結果でトップだった「会社の将来性」(27%)が、2010年度は1けたの8.3%にまで減少したことが、終身雇用制度の崩壊などの時代を反映している。また、就労意識についてたずねた13の質問では、「そう思う」から「そう思わない」までの4段階の回答を用意。この中で肯定的な回答が一番多かった質問は「社会や人から感謝される仕事がしたい」で96.5%。2位は「仕事を通じて人間関係を広げていきたい」で95.8%だった。一方、7位の「仕事をしていくうえで人間関係に不安を感じる」は63.6%で、人間関係に関心が強い傾向もうかがえた。なお、最下位の13位は、「職場の同僚、上司、部下などとは勤務時間以外はつきあいたくない」の17.8%だった。