警視庁捜査1課に所属し、人質立てこもり事件や身代金目的の誘拐事件などを扱う専門部隊。特殊犯捜査係とも。任務は立てこもり犯や誘拐犯との交渉や説得、現場に突入しての犯人制圧や人質救出のほか、企業恐喝・脅迫事件の捜査など多岐にわたる。1963年、東京都台東区で起きた「吉展(よしのぶ)ちゃん誘拐事件」で、身代金50万円を奪われ犯人の逃走を一時許したうえ、吉展ちゃんを救えなかったことを教訓に、警視庁が専門組織を設けたのがはじまりとされる。各道府県警にも類似の任務に当たる組織はあるが、名称はさまざま。大阪府警察では「MAAT(martial arts attack team)」と呼ぶ。2012年11月、愛知県豊川市の信用金庫で起きた人質立てこもり事件では、愛知県警察のSITが事件の解決に当たった。警視庁など8都道府県警に置かれ、ハイジャックなどテロの鎮圧に当たる特殊急襲部隊(SAT)とは別の組織。