毎年冬から春にかけて流行する、感染性胃腸炎の原因となるウイルスの一つ。白色便の下痢、おう吐、発熱などをともなう。いわゆる「お腹のかぜ」と呼ばれるものだが、ロタウイルスの感染力は強力で、患者の便や、吐しゃ物を処理する保護者に感染することもある。また、大人は、発症しても比較的軽症で済むが、乳幼児やお年寄りでは、脱水症状をともない、重症化することもある。乳幼児のウイルス性胃腸炎の原因としては、ノロウイルスとともに最上位に挙げられ、5歳までにほとんどの子どもが一度は感染するとされる。ロタウイルスは、1973年に、オーストラリアの微生物学者のビショップらによって発見され、ウイルスの形状が車輪状であることから、ラテン語で「車輪」を意味する「ロタ」より名付けられた。