参加者が一国の「大使」の役を担い、国連をはじめとする国際機関の会議のシミュレーションを行う活動。参加者は自分が担当する国の情報やこれまでの外交政策などを収集、分析し、議題についても背景など情報を集めて政策を立案。その上で、他国の「大使」たちに「自国」の政策を説き、討論や交渉を通じて国際社会全体の利益となる合意を形成するよう努める。国際問題への正しい理解や解決策の探求、ディベート能力の向上などによって、国際社会に貢献する人材を育成することが目的。1923年に「模擬国際連盟」としてハーバード大学で開催されたのがきっかけ。現在では世界40カ国以上で行われており、「模擬国連会議」自体は、世界70カ国で年間約400以上が開催されている。日本では当時上智大学教授だった緒方貞子元国連難民高等弁務官のもとで83年に始まり、関東と関西で合わせて七つの研究会と四つの支部がある。そのほか高校や地域での英語学習の一環など、さまざまな形で活動が行われている。2009年8月には初めて国連が主催して、約70カ国から参加者が集まる模擬国連世界大会がジュネーブで開催される。