加湿器内の水にカビや細菌が繁殖し、その噴気を吸入したことが原因で起こるアレルギー性の肺炎。加湿器肺、加湿器熱ともいい、専門用語では過敏性肺臓炎と呼ばれる。風邪に似た症状で、せきや発熱、悪寒、倦怠感などが現れる。加湿器の種類には、水を加熱して沸騰させる「スチーム式」、湿らせたフィルターを通して送風する「気化式」、スチーム式と気化式を組み合わせた「ハイブリッド式」、超音波の振動によって水を噴き出す「超音波式」がある。最近は、安価で熱によるやけどの心配がない超音波式加湿器が一般家庭用に普及しているが、熱を使わないため微生物が死滅せず、超音波によって殺菌効果のある水道水中の塩素も飛んでしまうので、水が汚染されやすい。フィルターも通さないので、汚染された噴気を吸い込むことになり、それが長期間におよぶとアレルギーとなって発症する恐れもある。2007年には新潟市の男性が、超音波式加湿器の使用が原因と思われるレジオネラ症により死亡している。加湿器病の予防には、加湿器のこまめな清掃が不可欠である。