1976年にスーダンで発見された、エボラウイルスによるウイルス性出血熱で、その時は284人の感染者と151人の死者が報告されている。ウイルスは5種類あり、なかでもザイール型の致死率がいちばん高く、致死率は最大で90%。突発的に発症し、潜伏期間は2~21日、発熱、頭痛や咽頭痛、筋肉痛、胸部痛が主な症状で、死亡例では出血が大部分に見られ、約1週間で死に至るほど進行が速い。血液や体液、排せつ物によってヒトからヒトへと感染し、空気感染はないとされているものの、飛沫感染の疑いがある。ウイルスの宿主動物は不明で、ワクチンもなく、治療は対症療法のみである。発生地はほぼ中央アフリカに集中し、76年にはザイール(現コンゴ民主共和国)で発生し、感染者数318人のうち死者280人、95年には感染者数315人のうち254人と多くの死者が出ている。感染者数が最大だったのは2000~01年にかけてのウガンダの425人で、死者は224人(いずれもWHO発表)。ウガンダでは、12年7月初旬に西部キバレ県で発生していたことが、同月27日になって確認された。ウイルスはスーダン型で、8月3日現在、感染の疑いがあるのは50人、死者は16人。