2007年4月30日~5月4日に、タイのバンコクで開催されたIPCC(気候変動に関する政府間パネル)第3作業部会で採択された報告書。第4次評価報告書では、第1作業部会の「自然科学的根拠」、第2作業部会の「影響・適応・脆弱性」に続くもので、温暖化ガスの排出削減に必要な対策やコスト、解決策がまとめられており、2013年以降のポスト京都議定書作りの議論の基礎となる。報告は、温暖化の抑制は可能とした上で、対策のコストと削減効果を具体的なシナリオで提示。現在の温暖化ガスの年間排出量は二酸化炭素換算で年460億トンだが、たとえば1トンあたりの削減対策コストが20ドルなら90億~170億トン、100ドルなら160億~310億トンの削減が可能としている。また、産業革命以前より平均気温上昇を2~2.8度に抑えようとする場合、2030年時点の世界のGDP(国内総生産)の損失は最大3%との試算も発表された。