医療紛争を裁判以外の方法で解決させるため、医師や法律専門家らが作る千葉市のNPO法人「医事紛争研究会」（代表・植木哲千葉大学法経学部教授）が設立した調停機関。2009年4月6日より運営が行われている。主な業務は、医療事故などをめぐるADR（裁判外紛争解決手続き）で、医師・患者間で起きたトラブルについて、話し合いの場を設け、必要があれば中立的第三者からの助言や和解案も提示して、迅速かつ円満な解決をめざす。調停を行う際は、事故解明などに専門的な知識を必要とするため、医師、弁護士、学識経験者の3人が調停委員を務めるのが特徴。相談は医療機関側と患者側の双方から無料で受け付けており、最初に医師・看護師からなる相談委員が面談を行った後、相手側に調停への参加を申し立てる。申し立て手数料は、患者側2万1000円、医療機関側4万2000円。また解決時に損害賠償額（和解額）の5～10％程度を、成立手数料として支払わなければならない。申し立てから和解成立までは約3～4カ月間かかる見通し。