仕事と育児・介護の両立を支援することを目的とする、育児・介護休業法(育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律、1995年制定)を改正し、短時間勤務制度の導入の義務化や、男性の育児休業取得の条件の緩和などを定めたもの。2009年6月に成立し、一部を除いて成立後1年以内に施行される。改正の柱は、子が3歳になるまで1日6時間の短時間勤務を認め、残業を免除する制度の導入を企業に義務付けたことで、女性の約7割が第1子出産後に退職することを背景に、育休期間終了後の職場復帰をスムーズにするねらいがある。さらに、06年度には1.56%にとどまった男性の育休取得率の向上を図るため、(1)配偶者が専業主婦であることなどを条件に、企業が従業員の育休申請を拒否できる規定を廃止、(2)父母が同時に育休を取得できる期間を、現状では子が1歳になるまでのところ1歳2カ月までに延長(パパ・ママ育休プラス制度)、(3)妻の出産後8週間以内に育休を取得した父親には、育休の再取得を認める、などの改正が行われた。また、08年の後半から深刻化した不況の影響から、育休の取得者を解雇したり非正規化したりする「育休切り」とよばれる動きがあることから、休業取得や復職に関するトラブルの調停制度が新設される。勧告に従わない企業は企業名が公表され、虚偽の報告をした企業には罰金が科される。このほか、要介護状態にある家族の通院の付き添いなどを想定した、短期の休暇制度が新設された。要介護者1人に対して年5日、2人以上で年10日が認められる。