IPCC(気候変動に関する政府間パネル)評価報告書は、地球温暖化現象を分析、予測した最新の研究成果の集大成であり、最新となる第4次評価報告書は2007年11月までに順次公開される。「気候変動2007 自然科学的根拠」は、2月2日に発表された第1作業部会報告書。報告では、地球温暖化現象は人間活動に起因するとほぼ断定。過去100年の平均気温が0.74度上昇し、第3次報告書(0.6度)よりも温暖化が加速しているとした。さらに、21世紀末の平均気温は最大6.4度上昇し、平均海面水位は最大で59cm上昇すると予測。また、今後は、温暖化によって、大気中の二酸化炭素の陸地や海洋への取り込みが減少し、大気に残留する二酸化炭素が増加するとの見解を示した。21世紀後半には、北極海の海氷が晩夏にはほぼ消滅との予測に言及するなど、気候変動の厳しい現実を提示する内容となっている。