郵政事業会社が原則として毎年11月1日に発行する、抽選くじ付き年賀はがき。寄付金なし(無地)と、全国版・地方版の寄付金付き(絵入り)の2種があり、切手を張る位置に印刷される郵便料金を表すイラスト(料額印面)は、新年の干支を題材にデザインされる。近年は、地球温暖化防止に貢献するカーボンオフセット年賀や香り付きなどもある。明治6(1873)年に初めて郵便はがきが発行されて以降、消印を「1月1日」とする年賀特別郵便は、明治39(1906)年には法的に確立されたが、くじ付き年賀状が初めて発行されたのは、昭和24(1949)年12月1日に売り出された昭和25年用で、賞品の特等はミシン、1等は純毛洋服地、2等は学童用グローブだった。くじ付きのアイデアは、京都に住む用品雑貨会社経営の林正治さんが、第二次世界大戦でうちひしがれ、通信の途絶えた日本で、くじを付け、寄付金も付けた年賀状がやりとりされれば、夢もあり社会福祉にもなる、と考案したもの。林さんは自ら宣伝用ポスターを描き、賞品案も考えて郵政省(当時)に提案し、実現させた。2011年用の年賀はがきは、当初発行が前年の最終発行枚数より約2億4000万枚少ない36億5500万枚で、最終的に前年並みの39億枚を見込んでいる。