国内で災害が発生した際に、被災地の医療施設などに派遣され、支援を行う看護ボランティア。公益社団法人日本看護協会が、1995年の阪神・淡路大震災(兵庫県南部地震)での経験をもとに発足させた。志願する看護師は、臨床経験3~5年以上、支援活動に意欲的であること、勤務先の管理責任者からの承諾があること、といった県別の資格要件を満たし、所属する都道府県看護協会に登録を行う。登録後は災害支援ナース研修の受講が義務づけられ、座学講義、グループワークなどで災害看護の基礎を学ぶ。被災地への派遣は、日本看護協会および都道府県看護協会が、災害支援ネットワークを通じて調整し、必要とされる職能を持った人材を選出。例えば、災害発生直後は救命救急看護や治療優先順の判定を行うトリアージ、3日目~2週間は内科・外科系看護、その後は精神看護や地域看護などの職能に秀でた看護師が派遣される。2011年までに約4800人が登録し、04年の新潟県中越地震、07年の能登半島地震、新潟県中越沖地震で活動を実施。11年の東日本大震災(東北地方太平洋沖地震)に際しては、被災地の医療施設の多くが津波で流失したため、初めて避難所を中心に活動を行った。