16世紀前半、戦国大名を中心に本格的に開発され、400年以上操業された日本最大級の銀山。島根県大田市にある。日本の銀が、世界で産出される銀の3分の1を占めていたとされる17世紀前半には、年間約38tの銀を産出し、東アジアでの交易や、江戸幕府の財政を支えていた。2007年6月28日、ニュージーランドで開かれたユネスコの世界遺産委員会が、鉱山本体と鉱山町、銀輸出に伴って栄えた港町、街道などを含めた総面積約442haの「石見銀山遺跡とその文化的景観」を、世界文化遺産に登録することを決定。国内では14件目となったが、07年5月には、ユネスコの諮問委員会である国際記念物遺跡会議(ICOMOS イコモス)より、「普遍的価値が証明できていない」として、「登録延期」の勧告を受けていた。その後、文化庁が意見書を作成して反論し、外務省や大田市長など日本側関係者の働きかけの結果、産業遺産としては国内初の登録となった。