野山、畑、草むらに多く生息するマダニ類が媒介する、日本紅斑熱リケッチア(リケッチア・ジャポニカ rickettsia japonica)という病原体による感染症。1984年に徳島県で発見された。99年より施行の感染症法では、デング熱、マラリア、発疹チフスと同じく、動物、飲食物等を介して人に感染し、健康に影響を与えるおそれがある新4類感染症に指定されている。病原体を宿したマダニに刺されて感染すると、2~10日の潜伏期間後に頭痛、発熱、発疹、全身倦怠感などの症状をともなって発症。それと同時に、ダニ特有の刺し口、39度前後の高熱、手足や顔面に米粒大~小豆大の紅斑発疹、といった主要3徴候が見られる。こうした症状や徴候は、ツツガムシ病に類似しているが、日本紅斑熱のほうが重症化しやすく、診断・治療が遅れると肝機能障害、播種性血管内凝固症候群(DIC)、多臓器不全を招くこともある。とくに西日本の太平洋岸で発生が多く、2008年7月には、宮崎市で感染した70歳の女性が死亡した。人から人への感染は報告されていない。