国際環境NGOの世界自然保護基金(WWF)が、1998年から2年に一度発行している、地球環境の危機に関する報告書。1686種の野生生物を追跡調査し、生物多様性の劣化を数値化した生きている地球指数(living planet index LPI)、人類の自然資源に対する需要を数値化したエコロジカル・フットプリントの2つの指数から、地球環境の現況と未来を測定する。2008年10月29日に、ロンドン動物園協会(ZSL)、環境シンクタンクのグローバル・フットプリント・ネットワーク(GFN)と共同で作成した08年版が発表された。それによると、生きている地球指数は1970年と比べ世界平均で30%近く減少し、生物多様性が約3割悪化したことが判明。とくに熱帯地域の指数は50%も低下した。自然資源に対する需要は、80年代半ばに地球1個分の供給限界量を超え、2005年には地球1.3個分の生物生産力を必要とする量になっている。超過分の消費は原資(貯金)を食いつぶしている状態で、このままのペースが続けば、2030年代に地球2個分の資源が必要となるという。