2009年12月1日、衆議院本会議で、欠席した自由民主党を除く全会一致で可決・成立した法律で、正式には「原爆症認定集団訴訟の原告に係る問題の解決のための基金に対する補助に関する法律」。参院先議の自民、公明両党による議員立法で、施行は10年4月1日。原爆症認定集団訴訟で敗訴した原告のために基金を創設し、原爆症認定者に支払われる月額約13万7000円の医療特別手当相当を補償するもの。原告団と弁護団、被爆者団体である日本原水爆被害者団体協議会(被団協)が基金の運営法人の母体となり、政府が約3億円を拠出、寄付なども受け入れる。病気と被爆に関係がないとして認定申請を却下された被爆者らによる原爆症認定集団訴訟は、2003年4月から続いており、国側は21連敗と全敗している。原告の平均年齢は75歳を超えており、09年8月、国が19連敗した時点で、当時の麻生太郎首相と被団協とで訴訟終結に向けての確認書が交わされていた。全国17地裁に計約300人が提訴した集団訴訟が終結するのは11年ごろと見られ、この法律で救済される原告は約30人と予想されている。原爆症の認定を申請しているが、認可が滞っている被爆者は09年11月時点で約8000人いる。