避妊法の失敗などによる、望まない妊娠の可能性を低くする飲み薬。モーニングアフターピル(morning-after pill)ともいう。ノルレボは、フランスの製薬会社HRAファルマが開発した緊急避妊薬の商品名で、事前に服用する低用量経口避妊薬(ピル)にも含まれる、合成黄体ホルモン剤レボノルゲストレル(levonorgestrel : LNG)を主成分としている。性行為後72時間以内に1回服用すると、排卵の抑制などにより80%以上の確率で避妊ができ、レイプ被害者への緊急対応や人工妊娠中絶の回避にも役立つという。そのため、世界保健機関(WHO)が各国に推奨するエッセンシャルドラッグ(必須医薬品)にも選定されており、2010年時点で、欧米など48カ国が承認している。日本では、安易な性行為の増加、コンドーム不使用による性感染症の増加、といった懸念を理由にこれまで承認が見送られてきた。そうした中で、09年9月、株式会社そーせい(本社・東京都千代田区)が、日本とオーストラリアでの販売権を取得して承認を申請。10年11月には、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第1部会が、国内での製造販売を認めても差し支えないとの意見をまとめた。早ければ、10年12月中に正式承認される。