災害時に検死官が犠牲者の身元を確認する際に基準となる、国際的なルールのこと。警察の国際協力を目的とする国際刑事警察機構(インターポール ICPO)では、DVIについてのマニュアル「Disaster Victim Identification Guide」を発行、加盟国に配布している。日本の警察庁が2005年にまとめた「国際協力推進要綱」では、04年に発生したスマトラ沖地震・インド洋大津波に対する国際緊急援助活動での教訓を踏まえてDVIチームを設置し、平素から法医学者や法歯学者との連携を図ることがうたわれている。日本人留学生らも被害にあった、11年2月22日にニュージーランドのクライストチャーチで発生した地震では、ニュージーランド警察が、DVIに則って身元確認を行っていると報道されている。同警察の発表によると、身元確認には時間がかかるとされ、そのプロセスは以下の5つのフェーズ(段階)に分かれている。(1)現場で遺体を調べ、記録したのちに収容。(2)病理学者や警察のDVIチームらによる遺体の詳細な調査。(3)犠牲者の特徴(衣服、歯の記録、指紋、DNAサンプル)など、生前の情報を収集。(4)遺体と集められたデータの照合、家族への報告など。(5)スタッフ間での情報の共有、カウンセラーなどによる心理ケア。