太陽光を浴びることで起きる皮膚疾患の総称。症状はさまざまで、皮膚が赤くなってかゆみを生じたり、じんましんや水疱などの発疹が出る場合もある。日焼け(日光皮膚炎)も光線過敏症の一種。おもに紫外線や可視光線によって引き起こされるが、紫外線には波長の長さによって長波長紫外線(UVA)や中波長紫外線(UVB)などがあり、疾患によって原因となる光線は異なる。光線過敏症は、遺伝や代謝など内的要因の疾患と、薬剤など外的要因による疾患とに大別される。内因性のものには、光線によって皮膚内にアレルゲンが生成される日光じんましんや、紫外線によって傷害を負ったDNAが修復されないために皮膚炎を起こす紫外線高感受性症候群、同様にDNA修復機能の障害によって重度の場合は悪性腫瘍や成長障害を起こす色素性乾皮症などがある。外因性の薬剤性光線過敏症には、内服薬による皮膚症と、湿布や化粧品、香水などが皮膚の表面を経由して起きる光接触皮膚炎があり、さらに、光線に反応した物質が毒性を帯びる光毒性と、光線に反応した物質がアレルゲンとなって炎症が起きる光アレルギー性の2つに分類される。このほか、中年以上の男性に多く見られる慢性光線性皮膚炎や、10~20歳代の女性に多い多形日光疹など原因不明のものも多い。2012年4月、内因性光線過敏症の原因になる遺伝子を、大阪大学と長崎大学の2チームがそれぞれ特定し、学術誌「ネイチャー・ジェネティクス」(電子版)に同時に発表した。2チームは、別々に遺伝子性疾患の紫外線高感受性症候群に着目し、疾患の原因と考えられる変異した遺伝子を発見した。同様の研究をオランダのチームも行っており、合同でこの原因遺伝子を「UVSSA」と命名した。