母体の血液を用いて、胎児に染色体異常があるかなどを調べる検査。ccfDNA検査などともいう。妊娠10週前後の妊婦の血液中には、胎児のDNAがわずかに漂っている。それを血漿から採集し、遺伝子の配列を調べる。とくに23対ある染色体のうち13番、18番、21番の異常が高精度で検出でき、発達障害や知的障害をともなう先天性の病気である21トリソミー(ダウン症)をはじめ、13トリソミー、18トリソミーの3疾患が診断可能。遺伝病の有無などは調べられない。10ミリリットル程度の採血だけですむため、母体に負担をかけず、従来の検査より流産などのリスクも低いとされている。2012年8月、国立成育医療研究センター、昭和大学病院の国内2病院が、アメリカで開発された新型出生前診断を導入する準備があると発表した。ただし臨床試験のため、希望すれば誰でも受けられるものではなく、35歳以上で、胎児に染色体以上が現れる可能性の高い妊婦に限られる。また、21万円程度の費用もかかる。日本ダウン症協会では、検査が安易に行われないよう、専門医によるカウンセリングを徹底させるなどの要望書を提出。それを受けて、日本産科婦人科学会も「研究以外の安易な実施は慎むべき」、との声明を発表した。