小児がんなどの難病を抱える子どもたちを対象とする療養施設。終末医療の場というよりも、子どもたちとその家族が家庭的な環境で、楽しみながら過ごせる場であることが重要視される。スタッフは医師や看護師、保育士などで構成され、子どもとほぼ1対1で向き合う。施設には家族で滞在できる個室のほかに、ゲーム室、音楽室などの娯楽設備が用意されるなど、子どもにとって居心地の良い場所づくりが工夫されている。また、普段は家庭で介護を行っている家族の負担をやわらげる、レスパイトケアを行うことも狙いのひとつで、一時的に子どもを預かるサービスなどが提供される。このような、子どもを対象とした世界初のホスピスは、イギリスの「ヘレンハウス」で、1982年に誕生した。18歳くらいまでの子どもが対象。同ホスピスの開設以来、イギリス国内をはじめ、同様の施設がヨーロッパ各国やカナダなど、世界中に広まった。2012年11月、日本で初めて子どもホスピスも併設した「ホスピス・こどもホスピス病院」が大阪市の淀川キリスト教病院内に開設された。緩和ケア用の個室や短期滞在用の個室のほか、友達を呼んで遊べる部屋なども用意。対象年齢は15歳以下とする。