構造物への鳥の衝突。特に、航空機と鳥との衝突事故を指すことが多い。2007年8月には、愛知県常滑市沖の海上に立地する中部国際空港で、着陸寸前の航空機に100羽以上のウミネコが衝突、清掃のために滑走路が一時閉鎖された。同空港には、多い時で約1万羽のウミネコが生息。翌9月にも、大量のウミネコが飛来したため、同空港の滑走路が閉鎖され、着陸が遅れたことから、乗客約100人が空港での宿泊を強いられた。全国17の主要空港では、「バードパトロール」と呼ばれる警備係が常駐し、散弾銃の空砲や爆音機を用いて鳥を遠ざけているが、06年には全国80の公共空港で、1200件を超えるバードストライクが発生するなど、決定的な防御策は見つかっていないのが現状。エンジンが鳥を吸い込むと航行不能に陥る場合もあり、アメリカでは墜落事故に至った例もあることから、早急な対策が求められる。近年では、風力発電用の風車への鳥の衝突が相次いで報告され、07年度からの3年計画で、環境省が風車の立地や渡り鳥の飛来ルートを調査する。