自転車乗車中の事故に対応する損害保険。自賠責保険のような強制加入ではなく、任意保険である。一般的に、自転車に乗る人のけがなどに備える傷害保険と、自転車事故による他人への賠償に備える賠償責任保険がセットになっていることが多い。損害保険会社では1980年代から商品として扱っていたが、関心が低く、採算が合わなかったことから、2010年までにいったん市場から撤退した。しかし、近年、健康やエコ志向によって自転車ブームが起こったことや、自転車と歩行者の事故が増加し、損害賠償金額が5000万円を超える裁判の判決例が出ていることなどを背景に、次々に復活。コンビニエンスストアや携帯電話などから申し込めたり、月額100円の保険料で加入できたりするものも新たに登場し、注目を集めている。また、公益財団法人日本交通管理技術協会が、点検・整備を受けた安全な自転車の証明として発行する、傷害保険と賠償責任保険が付帯されたTSマークの交付枚数も増加している。このほか、自転車事故などについては、火災保険や自動車保険、クレジットカードなどに特約としてついている個人賠償責任保険でも補償の対象となる。