新型インフルエンザなど、急速にまん延して健康被害をおよぼす恐れがある新感染症対策を強化し、発生時の国民への影響を最小限に抑えるための法律。2012年4月27日の参議院本会議で可決、成立した。国と地方公共団体は、高病原性鳥インフルエンザH5N1のヒトからヒトへの感染による世界的流行(パンデミック)などに備え、海外からのウイルス持ち込みを防ぐ水際作戦、予防接種の優先順位といった行動計画を作成。医療機関、医療関連会社、電気・ガス・運輸などの指定公共機関もそれぞれ業務計画を立て、体制整備を行う。発生時には対策本部が置かれ、本部長である首相が被害甚大と判断した場合は、2年以内の期限(1年以内の延長可)と区域を明示して、新型インフルエンザ等緊急事態を宣言。その間は外出の自粛、多数の人が集まる施設や催事の制限、医薬品や食料など特定物資の売り渡し、緊急物資の輸送、設備や土地を含めた医療提供体制の確保、などに関する要請や指示を行う権限が該当区域の都道府県知事に与えられる。また、従わなかった相手には、30万円以下の罰金、6カ月以下の懲役などの罰則も定められている。