食品や化粧品などに使用される赤色の着色料。中南米などに生息するエンジムシ(コチニールカイガラムシ)という昆虫のメスに熱処理を加えて乾燥させたものから抽出する。主成分はカルミン酸。世界的に広く使われ、日本では食品添加物としても認められている。清涼飲料水、菓子類、ハム、かまぼこなどの食品のほか、口紅、アイシャドー、頬紅などの化粧品や医薬品などにも使用される。食品以外のものには、コチニール色素の化合物であるカルミンが使用されることもある。一般的に広く普及している着色料だが、製造過程で微量に混ざるエンジムシ由来のたんぱく質が原因となり、人によってはアレルギー症状を起こすことがあり、かゆみ、じんましん、発疹、呼吸困難などの急性アレルギーや重篤なアナフィラキシーの発症事例が、国内外で報告されている。2012年5月、消費者庁は消費者に向けてコチニール色素に関する注意喚起を行い、厚生労働省でも同色素を含有する製品の表示の整備を行うよう、通知を出している。