人の動きや社会活動に制限を加え、密集度を下げて、人同士が接触する機会を減らす取り組み。新型インフルエンザなど重大な感染症が国内侵入した場合に、市街地での拡大を抑止する手段の一つとして、日本政府が取り決めた対策行動計画の中にも盛り込まれている。具体的には学校・保育施設の臨時閉鎖、集会やイベントの自粛、不要不急の外出自粛、事業所や商店の営業規模の縮小、交通機関の間引き運転など。1918~19年に流行し、世界で4000万人が死亡したスペイン風邪では、アメリカ国内で複数の都市がソーシャルディスタンシングを実施。そのうちミズーリ州セントルイス市は、映画館、学校、会議場などを約1カ月半の間閉鎖して、人口10万人あたりのピーク時死亡率を、他市の4分の1以下に抑えた実績をもつ。一般に接触・飛沫(ひまつ)感染を主とするインフルエンザウイルスの場合、電車内など密閉された空間でなければ、人同士の距離を1~2m離すだけで感染を防止できるという。