内閣府が毎年国会に提出する「少子化の状況及び少子化に対処するために講じた施策の概況に関する報告書」のこと。2003年に定められた少子化社会対策基本法に規定するもので、04~09年までは「少子化社会白書」と言われていた。12年6月5日に公表された12年版は2部構成となっている。第1部では「子ども・子育てビジョン」に基づいた施策の推進状況や、総合こども園等の「子ども・子育て新システム」の概要を説明するとともに、出生率の推移や、結婚、出産、子育てをめぐる最新状況を紹介。第2部では、東日本大震災の被災等における対応を含めた、11年度に講じられた子ども・子育て支援策について記している。白書によれば、10年時点で、50歳までに一度も結婚したことのない生涯未婚率は、男性で20.14%、女性で10.61%で過去最高となり、1980年の男性2.60%、女性4.45%と比較するとそれぞれ約7倍、約2倍と増加。社会の未婚化・非婚化の傾向がいっそう明らかになった。また、出産に対する意識としては、夫婦の理想的な子ども数(平均理想子ども数)は引き続き低下して過去最も低い2.42人。実際に持つつもりの子どもの数(平均予定子ども数)も初めて2.1を下回って2.07人。その理由として「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」が最も多く、妻が30歳未満の若い夫婦では「収入が不安定なこと」に対する不安も大きかった。女性の就労をめぐる環境では、出産前に仕事をしていた女性の約6割が出産を機に退職。そのうち約4分の1が、仕事を続けたかったが、仕事と育児の両立が難しいことを理由に挙げている。それらのことから、子どもを安心して産み育てていくため、若者の就労支援と合わせ、雇用対策や働く環境の整備が必要と指摘している。