従来の電動アシスト自転車は、乗る人がペダルを踏み込む際の力の大きさや早さを感知し、この負荷を軽くするべく、モーター動力で補助(アシスト)をなす。上り坂や向かい風を受ける際に重宝する一方、一定の速度を超えると、アシスト機能が働かなくなる安全面の配慮もなされている。取り外し式のニッケル水素電池やリチウムイオン電池などの充電式バッテリーを電源に用いるが、電池切れを起こしても普通の自転車と同様に走行させることができる。三洋電機は、「電気がモーターの軸を回転させる」のと逆に「モーターの軸を回転させれば、電気を生み出す発電機になる」という点を応用。走行中にブレーキをかけると、モーターの機能が発電機の機能に逆転し、その抵抗を制動に生かしつつ、発電された電気をバッテリーに充電する「回生充電」の技術を開発。2003年から同社製品に導入し、08年4月上旬には、業界で初めて、軽量でエネルギー密度の高いリチウムイオン電池を用いる第3世代の回生充電システム「ノッタ・ママ充電」を導入した製品を発売。同時に、車体重量を減らす一方、平地ではアシストを控え、上り坂では勾配に合わせてアシストを調整、下り坂では適宜にモーターを発電機化する「ノッタ・ママオートモード」を備え、これらの機能を併用しない場合と比べて、最大で1.8倍のアシスト走行距離を実現させた。