交通規制の対象を、道路区間という線ではなく、生活道路が密集する地域という面、ゾーンとして捉え、そのゾーン内の道路の最高速度を30キロとした交通安全対策。歩行者や自転車の安全確保を目的とし、警察庁が2011年9月に、各都道府県の警察、関係各所に通達し、推進を呼びかけた。これまでも、1996年に、一定区域を対象に原則として30キロ規制を行うコミュニティーゾーンが設けられ、交通安全対策がなされてきた。しかし、一方通行規制の実施や、ハンプ(こぶ)など速度抑制装置の設置には、住民の合意を得られない、あるいは財政的な制約があることから、ゾーンそのものの設定ができないケースがみられ、全国的な普及には至っていなかった。そこで、ゾーン30では、地域住民からの要望の高い地区を優先し、またコミュニティーゾーンより柔軟なゾーン設定を認めることで、普及を促進するというねらいもある。2016年度末までに、コミュニティーゾーンも含め、全国で3000カ所の整備を目標としている。