認知症の人の行動と心理症状のこと。認知症の主な症状は、脳機能の低下による物忘れや判断力の低下、言語障害などの中核症状と、その中核症状に伴って現れる、暴力や暴言、徘徊(はいかい)、幻覚、妄想の周辺症状に分類される。BPSDは後者とほぼ重なるが、せん妄は含まない。以前は問題行動とも呼ばれていたBPSDは、症状が激しくなり、家族の負担が大きくなった場合には精神科病院に入院させるケースもある。そうしたケースを避けるためにも、初期において適切な介護や医療が必要とされる。2012年11月27日、厚生労働省は、3年ごとに実施している患者調査から、精神科病院に入院する認知症の人が、11年には約5万3400人だったことを発表。今回の調査では、東日本大震災の影響で、宮城県の3市2町と福島県を除いての集計だが、それでも過去最多であり、BPSDへの対応が遅れていることをうかがわせた。