肝臓で作られる胆汁を十二指腸へと導く、胆管という臓器にできるがん。発生した場所で、肝内胆管がん、肝外胆管がんの2種類に分けられるが、肝内胆管がんは肝臓がんとして扱われることが多い。初期には症状がほとんど現れず、太さ約1センチの胆管がつまるぐらいまで腫瘍が大きくなると、皮膚や白目が黄ばむ黄疸の症状が出て、見つかることが多い。50歳代以上ほどかかりやすく、発症ピークは70歳代といわれている。そのため高齢化が進む日本では、年々増加傾向にある。男性に多いのも特徴。原因はよくわかっていないが、発症後は進行が速く、肝動脈やリンパ節など、周囲の組織に広がりやすい。また、体の深部にできるので、手術などの治療もきわめて難しい。年間1万6000~7000人が罹患(りかん)し、うち8000人以上が亡くなっている。2012年、大阪府や宮城県などで、20歳代の若者を含む印刷会社従業員24人が、職業性とおぼしき胆管がんを発症していた問題が発覚。印刷機の洗浄液に含まれる、ジクロロメタン、および1、2-ジクロロプロパンが原因物質として疑われ、厚生労働省が究明調査に乗り出した。