文部科学大臣の諮問機関。公私立の大学や高等専門学校が設置される際に、学校教育法や私立学校法などに基づき、大学設置と学校法人の2つの分科会で、教育や経営状況などを審査する。審査の観点は、大学・学部・学科の名称や教育課程が適切かどうか、学生数に対応した専任教員数や校地・校舎の面積、図書館などの教育環境が整っているかなどである。文部科学大臣は、大学の設置の認可を行う場合、大学設置・学校法人審議会に諮問しなければならない。審議会委員の定数は29人以内で、大学または高等専門学校の職員、私立大学もしくは私立高等専門学校の職員、またはこれらを設置する学校法人の理事、学識経験者で構成される。任期は2年。大学の設置認可制度は、新設の大学が国際的に通用する学位を授与する機関として、それにふさわしい「質」と「仕組み」を担保することが必要であり、学生が安心して学べる利益を確保するとの観点から、1987年に設けられた。大学が最低限満たすべき基準を「大学設置基準」として、それに基づき公私立大学の設置廃止等について文部科学大臣が認可を行う。設置基準については、91年に規制緩和の立場から大綱化・自由化がなされ、2004年施行の規制改革の下で大幅な弾力化が図られた。一方で大学の質をめぐっては、その低下が懸念されており、中央教育審議会(中教審)大学分科会では、設置認可の重要性と的確な運用を強調している。