厚生労働大臣の免許を受け、医師の指示の下で、生命維持管理装置の操作および保守点検を行うことを業務とする医療技術者。主に扱う医療機器は、心臓外科手術や急性期心不全の際に、一時的に心肺補助を行う人工心肺装置、呼吸機能を補う人工呼吸装置、腎機能の不全を補って血液中の老廃物や水分を除去する人工透析装置など。患者の生命をつなぐ高度医療機器のスペシャリストであり、医師や看護師との緊密な連携でチーム医療の要ともなるため、現代の医療現場に不可欠とされている。2008年度からは、技士を置いた病院での生命維持管理装置を使った治療に、診療報酬の加算が認められるようになった。そのため各関連学会では、各種認定資格制度を設け、より高度で専門性の高い技士の育成に取り組んでいる。臨床工学技士になるには、1987年に施行された臨床工学技士法に基づき、大学、短期大学、専門学校などの養成校で所定の科目を修得し、国家試験に合格しなければならない。