小学校入学前の幼稚園児や保育園児を対象に、集団生活のルールや初歩的な読み書き、計算を教えることで、小学校の集団生活にスムーズに移行できるように、幼稚園(保育園)と小学校の橋渡しを図るプログラム。幼稚園(保育園)と小学校との間の環境変化を埋めることから、幼小連携ともいう。東京都品川区の教育委員会が、2010年度から区立小学校の協力を得て、すべての区立・私立の幼稚園・保育園(認定保育所も含む)を対象に導入することを検討している。この流れの背景には、小学校に入りたての児童が授業中に人の話を聞くことができず、勝手に歩き回ったり、騒いだり、一定時間を静かにすることができないなど、精神的な幼さから集団生活になじめない「小1プロブレム」と呼ばれる現象が、00年前後から都市部の小学校で指摘されてきたことにある。これは、教師や学校などへの反抗から意図的に授業を放棄する学級崩壊とは異なり、家庭内や地域社会でしつけが十分になされることなく育てられたことに原因があるとされる(「子どもを取り巻く環境の変化を踏まえた今後の幼児教育の在り方について(中央教育審議会05年答申)」より)。幼小連携のためのカリキュラムを作成し、区内の幼(保)小が交流を図り、ドッジボールや合奏などを通して集団のルールを教えたり、小学校の教員が幼稚園(保育園)に出向いて教えることも検討されている。また自宅育児の家庭には、幼稚園に出向くことで無償で受けられるようにするなどの案も出ている。品川区以外の自治体の教育委員会でも、同様の動きがある。