介護保険法の改正に伴い、2013年4月から介護従事者の資格制度が変更されることとなった。従来の訪問介護員(ホームヘルパー)2級研修は「介護職員初任者研修」となり、1級研修と介護職員基礎研修は「介護職員実務者研修」に一本化される。複雑だった養成体系を整理することで、介護職員初任者に始まり、実務者研修を修めた介護福祉士、将来的には認定介護福祉士(仮称)へと段階的にステップアップしていくことが可能となる。新制度において最も基礎的な資格は「介護職員初任者」で、都道府県が指定した介護事業者等が実施する130時間の研修を受講することで資格を取得できるという仕組みは、従来の訪問介護員2級研修と変わらない。ただし、研修内容の改定と修了後の筆記試験の導入によって、より専門的な知識と技術を身につけられるようになり、有資格者は訪問介護だけでなく、施設での介護にも従事できる。「介護職員実務者研修」は、やはり介護事業者等が実施するもので、実務経験だけでは修得できない知識や技術を中心に構成される。この研修の受講は6カ月以上、450時間で、15年度以降に実務経験者が介護福祉士の国家試験を受験する際、3年の実務経験に加えて新たに必要となる。さらに、介護福祉士として一定の実務経験を経て、知識と技術に秀でた人材を遇するために、認定介護福祉士という制度が構築される予定である。なお、制度変更前に取得した資格は引き続き有効で、4月以降も介護職に従事できるほか、資格内容に応じて実務者研修の時間を短縮することなどが可能となる。