目も耳も不自由な人(盲ろう者)とのコミュニケーションのために、点字タイプライターのキーの配置をそのまま指に当てはめ、指同士を触れて文字を伝えあう会話法。両手の人さし指、中指、薬指の計6本を、6つの点で構成される点字の組み合わせに見立て、指先をトントンと軽く打って、50音やアルファベット、拗音、数字、記号などの言葉を伝える。左人さし指を1の点とするパーキンス式と、右薬指を1の点とするライト式の2種類があり、主にパーキンス式が使われている。道具も要らず、慣れるとかなりの速さで会話も可能となり、打ち方の強弱で感情などの情報も伝えあうことができる。指点字は、9歳で失明し18歳で失聴した、東京大学の福島智(ふくしま・さとし)教授の母親が、この会話法を知り、息子とのコミュニケーション手段に使ったことで、広く世に知られるようになった。盲ろう者との意思疎通には、ほかに、触読手話(触手話)、指文字、手書き文字、ブリスタ(点字)、要約筆記などの方法がある。