アメリカの製薬会社アリーナ・ファーマシューティカルズ(本社・カリフォルニア州サンディエゴ)が開発した肥満症治療薬。製品名は「ベルヴィーク(BELVIQ)」。錠剤タイプの飲み薬で、脳内の満腹中枢をつかさどる受容体を刺激し、食欲を抑える効き目があるという。2012年6月27日、アメリカ食品医薬品局(FDA)が新薬として承認した。処方を受けられる患者は、肥満度を表す指数であるBMI(ボディマスインデックス)が30以上、または27以上で高血圧、脂質異常症、2型糖尿病などの合併症を1つ以上患っている成人のみ。処方に際してはカロリー制限の食事療法と運動療法を行い、薬は補助療法として使用される。臨床試験では、1年間のプログラムで5%以上の体重減少効果が確認され、減量状態を2年間維持できた人も多く認められた。主な副作用は、頭痛、めまい、けん怠感、吐き気など。2型糖尿病患者の場合は、低血糖、腰痛なども報告されている。発売後には、小児患者での臨床試験、長期投与における心臓発作や脳卒中のリスク調査などが実施される。