南アメリカのパンパと呼ばれる乾燥した草原地帯にすむテンジクネズミ科に属するげっ歯類。体長50~75センチ、体重8~9キロの大型のネズミで、背中は褐色、腰は黒、腹は白で、尻のまわりに白い房毛がある。耳と目が大きく、長い足で飛び跳ねるように走る姿は、ネズミよりもウサギやワラビーに似ている。俊足で、最高時速45キロの速さで長距離を走ることもできる。穴を掘る習性があり、夜は巣穴で休み、日中活動して草の葉や茎、根などを食べる。ほ乳類には珍しい一夫一妻制で、年1回の繁殖で1~3頭の子を産む。一生同じつがいで生活するが、繁殖期には1カ所に50~100頭が集まって大きな集団を作り、共通の巣穴の中でそれぞれが子育てをする。動物園などで多く飼育されているが、野生のものは国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストで準絶滅危惧種に指定されている。