東京医療保健大学の高柳和江教授が代表世話人を務める「癒しの環境研究会(Japan Society of Healing Environment)」により認定された、笑いで患者の自己治癒力を高めることや、発病予防のサポートを行う人のこと。患者やストレスを抱える人から上手に笑いを引き出す必要があるため、芸人のようにアグレッシブに人を笑わせようとするのではなく、日常的に自然な笑いを引き出し、そうした笑いを周囲に感染させることもでき、場所を問わず、パフォーマンスもグッズも用いないで実践できる技術が必要となる。同時に、それは固定化した方法論に依存するのではなく、各自が相手との交流の中で模索しながら独自に技能を構築していく必要性が要求されることにも当たる。いわゆる「笑いの効用」は昨今重要視されており、体内のナチュラルキラー細胞(NK細胞 natural killer cell)を活性化して免疫力を高めることはよく知られているうえ、リラックス効果によって自律神経の働きが安定したり、モルヒネの6倍以上の鎮痛作用をもつ神経伝達物質(neurotransmitter)のエンドルフィン(endorphin)が増加したりする作用も報告されている。応募資格は、笑いの専門家、医療・福祉スタッフ、患者やその家族、一般の人と幅広く、自薦他薦も問わない。中央群馬脳神経外科病院院長にして落語家・桂前治(かつらぜんじ)の名をもつ中島英雄を筆頭に、童話作家の山崎陽子や前出の高柳教授らによる「笑い療法士」認定評価委員会が審査を行い、講習と研修ののちに合格を決定する。資格には三つのクラスがあり、3級は「笑い療法士の理念を理解し、熱意のある人」、2級は「笑い療法士として十分な実績をもつ人」、1級は「笑い療法士として社会に貢献し、とくにすぐれた実績があると認められた人」となる。2005年10月に認定された第1期生49人からはじまり、11年2月20日に開催された発表会では第7期生として72人が新たに認定され、総勢520人となった。