筋肉を動かす運動神経に炎症が起こり、手足の筋力が急に低下して、弛緩性の運動まひや様々な神経症を伴う病気。10万人あたり年間1~2人が発病し、日本では指定難病(特定疾患)に認定されている。年齢、性別に関係なく発病するが、男性のほうがやや多い。原因は、体内に侵入した病原体に対する免疫抗体が、何らかの理由で、末梢の運動神経を攻撃するためと考えられる。よって約70%のケースでは、最初に頭痛、発熱、のどの痛み、腹痛、下痢など風邪に似た症状が現れ、その1~2週間後に神経症状が出始める。主な自覚症状は、手足にしびれや痛みを感じる、表情が出しにくくなる、ろれつが回らなくなる、食べ物が飲み込めなくなる、血圧や脈が変動する、異常に汗をかくなど。重症化すると呼吸不全をきたし、人工呼吸器の装着を余儀なくされる。これらの神経症状は、発病後2~4週間以内に急激に進行してピークを迎え、その後は徐々に改善し、半年~1年でほとんどの人が完治する。ただし約20%の割合で後遺症が残り、経過中の死亡例も約5%に達している。