国が各都道府県に対して医療連携体制の構築を求めている、がん、脳卒中、急性心筋梗塞、糖尿病の「4大疾病(4疾病)」に、うつ病や認知症、統合失調症などの精神疾患を加えたもの。2006年成立の第5次医療法改正に基づき、都道府県は08年度から「4疾病5事業」(5事業は救急、災害、へき地、周産期、小児医療のこと)ごとに、連携体制を担う医療機関などを明示した医療計画を作成している。医療計画はおおむね5年ごとに見直されることになっており、現在13年度の見直しに向けた議論が進む。厚生労働省の患者調査(08年度)によると、精神疾患の患者数は1996年の218万人から2008年には323万人と1.5倍に急増しており、糖尿病237万人、がん152万人などよりも多い。また、年間の自殺者は3万人を超えるが、そのうち9割は何らかの精神疾患にかかっていた可能性があるという指摘もある。こうした背景から、同省では精神疾患への重点対策が不可欠と判断。11年7月6日、同省の社会保障審議会医療部会で、従来の4大疾病(4疾病)に精神疾患を加えた「5大疾病(5疾病)」とすることで合意した。年内には都道府県向けの指針をまとめるとしている。