近い将来、日本で起こると想定される巨大地震モデルの一つ。2011年3月11日に発生した東日本大震災(東北地方太平洋沖地震 ; 東日本大地震)の地震や津波のデータを基に、11年11月、国土交通省中部地方整備局が独自に想定、算出した。これまで想定されていた、駿河湾沖を震源とする東海地震、紀伊半島沖~遠州灘を震源とする東南海地震、四国沖を震源とする南海地震が同時発生する3連動地震に、宮崎県沖の日向灘、太平洋沖で海洋プレートが沈み込む場所にある南海トラフ沿いの海溝軸を新たな震源域に加え、より巨大な連動地震を想定している。東日本大震災ではプレート(岩盤)の海溝軸付近が大きく滑り、巨大津波が発生したと考えられている。また、過去の地質調査などから、日向灘の震源域が3連動地震の影響を受ける可能性も指摘された。東南海、南海地震等に関する専門調査会がある、内閣府の中央防災会議の意見をふまえた試算によると、5連動地震が発生した場合のマグニチュード(M)は8.9で、3連動の場合に比べて2倍のエネルギーになるという。