遺失物法は、持ち主が意図せずに紛失した(うっかり失くした)「落とし物」の拾得、届け出、保管、返還についての手続きを定めた法律(1899年・明治32年制定)。落とし物を拾得した者は、すみやかに所有者に返すか警察に届け出て、警察は所有者が特定されるまで、遺失物を保管しなければならない。遺失物の所有者が一定期間内に判明しなければ、その所有権は拾得者に移転することになる。しかし、たとえ遺失物が届け出られても、従来は警察単位で保管されていたため、紛失場所が不明だったり、問い合わせ先の警察が届け先と異なる場合には、遺失物の発見は困難であった。約50年ぶりに改正され、2007年12月10日に施行された改正法では、警察署に届け出た遺失物は、都道府県単位でデータベース化され、インターネット上に公開される。従来、6カ月であった保管期間は、3カ月に短縮されるとともに、携帯電話やキャッシュカード、クレジットカードなどについては、所有権の移転は認めず廃棄される。また傘などの安価な遺失物については、2週間程度の保管で売却処分されることもある。