背骨を支える靱帯(じんたい)の一部が変質して、脊髄を圧迫し、運動障害などが起こる病気。原因不明の難病で、40歳以上の日本人に発症例が多く、日本では治療費を国が援助する指定難病(特定疾患)とされている。黄色靱帯とは、背骨の中心部を通る脊髄の背中側、椎弓と呼ばれる骨のブロックを上下につなぐ線維状の組織。その名の通り黄色い色をしており、通常は脊髄をとりまく脊柱管を補強するように存在している。この靱帯が、何らかの原因で骨のように硬くなり、厚みを増して、徐々に脊髄を圧迫すると、下肢の脱力やこわばり、しびれ、背すじの痛み、といった初期症状があらわれる。やがて歩行が困難になり、日常生活に支障をきたすほどになる。ただし経過は人によって異なり、まったく症状が出なかったり、軽症のまま進まない人もいる。軽症のうちは消炎鎮痛剤で抑えるが、重症化すると変質した靱帯を手術で取り除き、術後には数週間から数カ月間のリハビリテーションを要する。