国土交通省が1958年から行っている一級河川の水質調査のこと。一級河川とは、国土保全や国民経済上で特に重要な水系の河川を指し、国土交通大臣が指定したものをいう。2011年は、全国の109水系について調査が行われ、12年7月に結果が発表された。本調査では、水質汚染を表す指数のBOD(生物化学的酸素要求量)やCOD(化学的酸素要求量)などから一級河川の水質現況ランキングを作成。その他、ごみの量や川底の感触、透視度などの新しい指標を加えた「泳ぎたいと思うきれいな川」57地点などを発表した。「水質改善状況によるランキング」では、過去10年間でBOD値が大きく改善した河川として、大和川(大阪府、奈良県)、綾瀬川(埼玉県、東京都)、鶴見川(神奈川県)をあげている。「平均水質(BOD値)によるランキング」では、164河川の中で最も水質が良好(BOD平均値が0.5ミリグラム/リットル)な河川として、次の12河川をあげている。尻別川(しりべつがわ)、後志利別川(しりべしとしべつがわ)、鵡川(むかわ)、沙流川(さるがわ)(以上、北海道)、荒川(福島県)、黒部川(富山県)、安倍川(静岡県)、宮川(三重県)、北川(福井県)、高津川(島根県)、川辺川(熊本県)、五ヶ瀬川(宮崎県)。なお、BODとは、水中の有機物が微生物によって分解される際に消費される酸素量のこと。CODとは、水中の有機物が過マンガン酸カリウムなどで酸化・分解されるときに消費される酸素量を指す。