文部科学省が、国民の体力・運動能力の現状を明らかにするとともに、体育・スポーツの指導と行政上の基礎資料を得るために行っている調査。1964年から毎年実施している。調査の対象は全国47都道府県の小~大学生、成年、高齢者で、年齢層に応じて握力、上体起こし、長座体前屈、反復横とび、20メートルシャトルラン(往復持久走)などのテストを行い、それぞれ調査対象に見合う分だけ無作為に抽出し、集計する。同省は2010年10月10日の体育の日に合わせて、全国6~79歳までの約7万人を対象に行われた「平成21年度体力・運動能力調査」の結果を公表。小中学生の走る、投げるといった基礎的な体力や運動能力が、ここ数年は向上傾向にあり、問題化していた子どもの体力低下が改善しつつあると分析した。子どもの体力水準がピークだったとされる1985年ころと比べれば、依然低い水準の項目が多いが、13歳男子の50メートル走は85年当時の水準まで回復。同省は学校が危機感を持ち、体力を向上させる取り組みを行っていることが影響していると見ている。