山梨県大月市と甲州市にまたがる笹子峠を貫くトンネル。鉄道と道路のトンネルがある。鉄道トンネルは1903年に中央本線笹子~初鹿野(現・甲斐大和)間に開通。全長は4656メートルで、31年に清水トンネル(上越線)が開通するまで日本最長を誇った。66年には複線工事に伴い、上り線用の新笹子トンネル(全長4670メートル)が開通した。道路トンネルは58年、国道20号線に自動車専用の新笹子トンネル(全長2953メートル)が開通。77年に中央自動車道の笹子トンネルが開通した。中央自動車道の笹子トンネルは、大月ジャンクションと勝沼インターチェンジの間にあり、上下線で分かれ、上りが全長4784メートル、下りが全長4717メートル。ともに片側2車線で、上下線合わせると1日平均約4万6000台が利用している。2012年12月2日に起きたトンネル天井板崩落事故は、上り線の甲州市側から約3.2キロ付近で発生。コンクリート製の天井板(重量約1トン)約330枚が、約130メートルにわたって崩落、通行中の車3台が下敷きになり、男女9人が死亡した。崩落した天井板はつり金具ごと落ちており、これまでトンネル開通以来、金具を補修した記録がないことなどから、事故は設備の老朽化が原因とみられている。