脳の動脈血管の一部に血液が溜まり、小さなこぶができる脳動脈瘤という病気の一種。3層構造になった血管の、いちばん内側にある内弾性板という膜が裂け、そこへ血液が入り込んで外膜を押し広げることで発症する。通常の脳動脈瘤だと、血管の枝分かれ部に、のう状のこぶが形成されるが、解離性の場合は本幹と呼ばれる枝分かれ部以外の場所にも発生し、血管全体を紡錘(ぼうすい)形に膨らませる。そのため本幹動脈瘤ともいう。もっとも発生しやすい場所は、うなじの部分にある椎骨動脈で、こぶができると突然の強い頭痛が起こるが、偏頭痛や筋緊張性頭痛などと痛みが似ているため、見逃してしまうことも多い。こぶが膨張して破裂するとクモ膜下出血となり、命にかかわる重大なダメージを受けることになる。未破裂脳動脈瘤の状態でも、血液の流れを妨げて脳梗塞(こうそく)を引き起こしたり、こぶが周辺組織を圧迫して病変をもたらすことがある。一方で、無症状のまま治癒する例もある。好発年齢は40代を中心に20~60代で、治療は非常に難しいとされている。