経済協力開発機構(OECD)が実施する世界の15歳の生徒を対象とした学習到達度調査。義務教育で得た知識や技能を、実生活のさまざまな場面に活用し応用する能力をみる。2000年より3年ごとに行われ、09年に4回目を実施。65カ国・地域から約47万人の生徒が調査の対象となり、日本からは、無作為に選定された185校の約6000人が参加した。09年は、読解力が中心的分野として重点的に調査された。日本は、読解力の順位を前回の15位から8位へと大幅にあげ、数学的リテラシーは、10位から9位へ、また科学的リテラシーも、6位から5位へと順位をあげた。読解力を中心に全体的に学力の改善がみられたが、(1)トップレベルの国と比べて下位層が多い、(2)読解力について情報の関係性を理解して自分の知識や経験と結びつけることが苦手、(3)数学的リテラシーについてトップレベルの国々とは差がある、(4)諸外国と比べ本を読まない生徒が多い、などの課題も明らかになった。文部科学省は、今回の課題を受けて (1)新学習指導要領の着実な実施、(2)「個に応じた指導」の推進、(3)全国学力テストを活用した教育の改善、(4)読書活動の推進、を今後の取り組みとしてあげている。他国では、今回初参加の上海が、すべての分野で1位。韓国や香港、シンガポールなどアジアの国が上位に並んだ。