大学で学ぶ基礎学力が備わっているかどうか、高校段階の学力を測るテストの仮称。日本の大学進学率は、2005年度以降はほぼ50%、08年度には55.3%に達し、進学希望者のほぼ全員が入学可能な大学全入時代の段階にあるといわれている。それにともない、最近では大学側が早くから定員を確保するために、選抜を前倒しにする書類審査や面接を重視するAO入試、推薦入試を偏重する傾向がある。1997年度に72%であった一般入試入学者の割合は、2008年には56%にまで減少した。ところがAO入試入学者のなかには、大学の授業内容を理解できずついて行けない学生が多くいるなど、学力の低下が指摘されており、06年度には6割の大学が高校の学習の補習授業を行ったとされている。このため教育再生懇談会(首相の諮問機関)は09年2月に第3次答申を行い、「学力担保」のために「高大接続テスト」の導入に言及した。これについてはすでに中央教育審議会(文部科学相の諮問機関)の作業部会でも、08年1月に「新しい学力検査」(高大接続テスト)の実施も有効との報告を行っている。テストは高校在学中に実施されると見られ、科目数や試験範囲、難易度や実施回数などが検討されている。しかしセンター試験(大学入試センター試験)との兼ね合いもあわせて検討課題が多い。